今回はゆゆ式について語っていきます。
ゆゆ式はまんがタイムきららで連載されている、三上小又先生の4コマ漫画を原作とした
所謂日常系アニメに分類される作品です。
2013年4月にアニメ化され、2017年にOVAが発売されています。
内容
野々原ゆずこ、櫟井唯、日向縁の仲良し三人組を中心とした女子高生の日常を描いた
ストーリーです。
ストーリーとしてはそれ以上でもそれ以下でもないです。
話ごとに山があればオチがあるわけでもない。高校生らしいイベントも出てこない。
『ノーイベント・グッドライフ』
これは公式で掲げられているテーマです。
この言葉通り、ただただ彼女たち高校生の日常を描いています。
学校に行って駄弁ったり、家に集まってぐだぐだしたり、彼女たちが所属する部活『情報処理部』で部活動をしたり(テーマについて調べて、結局駄弁っているだけですが)、他の女子グループと絡んだり。
なんでもないただの日常が12話続いているだけ……
一見面白くなさそうと感じる人が多いと思います。私も最初は思っていました。
だけど、それが良いんです。
他のアニメ、日常系アニメでもよくあるのですが、視聴者を笑わせるためのギャグだったり、話に起伏を持たせるためのトんでも設定やトんでも展開は一切ありません。
作中のキャラクター同士で会話して、相手を笑わそうとしたり、最近見たテレビの内容を話したりウワサ話をしたり、ダルがらみをしに行ったり。
私たちが経験した高校生の日常がそのまま繰り広げられているといった感じです。
(現実の女子高生の会話かと言われると、違うのでそういった意味ではフィクションや
誇張が入っていますが)
彼女たちが楽しんでいる姿を見て、こちら側も楽しい気持ちや温かい気持ちになったり、女子高生の日々を微笑ましく思ったり、こんな日々は戻ってこないんだと少し
センチメンタルな気持ちになったり。
この作品はそういった見方で楽しむものなのかなと思っています。
これは、ある掲示板でのゆゆ式を見た感想について述べられた投稿だったのですが、深く共感しました。私が長々と作品について話してきましたが、以下の投稿がゆゆ式のすべてを物語っていると思います。
今ゆゆ式の一挙放送見てるわ
こういう平熱の日々をいつか慈しむ日が来ることを知っていながら知らないふりをして、この年頃の子達は青い春を駆け抜けていくのね
あたしは今は男でよかったと思ってるけど、この歳の頃は女の子として生きて女の子と放課後を笑って、好きな男の子の前で可愛い姿を見せたかったわ
こういう、緩やかかつ瞬く間にカレンダーが捲れていくような作品を見てると、振る舞いも気持ちも生硬だった頃が昨日のことのように脳裏にパッと明滅するわ
す、すごい……
文豪や……
いろいろ書いてきましたが、ゆゆ式について、
私たちが過ごしてきた何気ない日常、それの良さを思い出させてくれつつ、彼女たちが過ごしている空間がとてつもなく羨ましく思える。ずっとこの空間に居たい。
そう思わせてくれる何にも代えがたい作品だと思っています。
評価基準のところで個々について話そうと思っていましたが、結局先に語ってしまってしまいました……
とりあえず、各要素の良さについて評価を交えて短めに語っていきたいと思います。
評価
【ストーリー】30点 / 30点
山もオチもない。普通に評価すれば0点になりそうですが、
この作品のメインテーマは『ノーイベント・グッドライフ』。
ストーリーはそれを遵守して、ただただ、彼女たちのなんでもない日常の良さを
これでもかと見せつけれてくれています。
そういった意味では満点! を上げたいのですが、最初の評価だし、満点を上げたら
ただの贔屓で、定量的もクソもないし、女子高生はこんな会話はしねえよといった
ツッコミもあったり……
いろいろ日和ってマイナスにすることもできるのですが、1話~12話まで並べてみて、
これだけ彼女たちの何気ない日常の良さを余すことなく教えてくれて、
彼女たちを好きにならせてくれて、無駄な話が一切ありませんでした。
それどころか、彼女たちの日常の続きが見たいと切望する毎日。
贔屓でも何と言われてもいいので、テーマに沿った一貫したストーリー、
話に無駄がなくどの話も好きになれる、12話を終えてなお続きを切望している
という観点から満点で良いと思っています!
【作画・キャラデザ】17点 / 20点
作画については、作画崩壊などしたことなくキャラもめちゃくちゃ可愛いです。
表情変化や感情を表現した動きも多彩で、遺憾なくキャラの良さを発揮できていると
思われます。
目がデカいと言われがちなので、一旦その分点数を下げました。
【音楽】10点(30点)/ 10点
音楽は文句なしの10点満点です。(個人的には30点やそれ以上の点数をあげたい)
OP「せーのっ!」は、盛り上がる曲調の中に少しセンチメンタルな感情になるパートも
入っている、まさに『ゆゆ式』を体現したような曲です。
ED「Affedtion」は、優しさとどことなくもの寂しさを感じさせるような曲調で、
まさに話の終わりを感じるような曲。
ある意味絶望を与えてくれるような曲でもあります。
歌詞もこれまた良くて、「少しズレていることでも以外にも君には響いていたりして」
「いつもの君の笑顔がすごく嬉しいからもっと笑わせちゃえ」など、
ゆゆ式のキャラクターの心情を体現したような歌詞で、聴くたびにゆゆ式を思い出して
センチメンタルな気持ちになります。
OP・EDも大好きなのですが、私が一番音楽で推したいのはサウンドトラックです。
作曲家「sakai asuka」さんが手がけた楽曲なのですが、
ほんっっっっっとうに良いです。
ゆゆ式といったらで有名な「TekiPaki」や、個人的に大好きな「Puppy Love」を
筆頭に良サウンドが並んでいます。
日常系アニメなんて、山もオチもないストーリーを見るなんて敷居が高いかも……
と思っている方は、こちらのサウンドトラックを聴いてみることから始めてみても
良いかもしれません。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00CPYDQTG/
【世界観】40点 / 40点
あれだけべた褒めしてきたので、今更書くこともないのですが……
女子高生のなにげない日常を描くということをテーマとして、それを余すことなく
見せつけてきたストーリー。
個性豊かで、それぞれを楽しませようと、色々とアクションを起こして
楽しく過ごしているのが分かるキャラクター達。
この世界観を盛り上げたり、時にはセンチメンタルな気分に浸るのを助けてくれる
音楽。
日常のすばらしさというもの思い知らせてくれつつ、彼女たちの世界観に
もっとずっと浸っていたいという気持ちにさせてくれる。
そんな唯一無二の世界観を持った作品。
それが「ゆゆ式」と考えています。
私の中では文句なく満点です。
計:97点 / 100点
以上がゆゆ式の内容や評価になります。
始めからこんなのでいいのかと思いますが、最初は好きな作品を上げていくので、
これだけの文章と点数になってしまったのだと思います。
徐々に文章量も更新も少なくなっていくと思います。
ゆゆ式に触れたことがない人、日常系アニメなんて見たことが無いよという人、
後悔はしないと思うので、ぜひ見ていただければと思います。